初イノ。  2004年2月4日(水)

ようやく、イノシシを食べた。

西表島では、イノシシを食べる。

11月15日から2月15日が、
猟の解禁期間。
1月の下旬に、島に帰ってくることを
決めた裏では、
「よし、イノシシに間に合う!」
なんて、ガッツポーズもしていたわたしです。

それほどまでに、イノシシは旨い!

刺身が最高。
ちょっと塩をして、軽く皮をあぶり、
にんにく醤油でいただく。

生肉の刺身なのに、
皮や脂までおいしいんだから、
やめられないよなぁ。

買うと高いが、
住んでると、何かの機会にありつけるので、
お金を払ったことなど、ほとんどない。
有難い話で。

夕方、部落の中を散歩していると、
猟から、イノシシをかついで降りてきた、
近所のおじさんに会える。
心臓を突き、
毛をあぶり、
見事な手つきで次々と解体していく現場を
見とれて眺めていると、
一番おいしいところに軽く塩をして、
「ほれ、食え!」

こうして食べると、
命の大切さを実感する。

目の前で心臓を突かれて、
死んでいったイノシシ。

食べるぶんだけ捕って、
おいしくいただく。

心から
「いただきます」
と言える瞬間。

「いただきます」は、
「命をいただいて、自分の力とする」から
「いただきます」なのだ。

イノシシだけじゃない。
水も、野菜も、魚も、みんな。

それぞれが生きてきて、
わたしの口に入るまでには、
太陽の力、土の力、育てた人の力、
加工した人の力、運送した人の力、
みんなみんなの力があって、
わたしの生きる糧となる。

ごはんの前には、
「いただきます」を、きちんと言おうね。
心から。