今日は、旧暦の1月16日。
「十六日祭」と言って、
亡くなった人のための、
あの世の正月「十六日祭」だ。
こちらでは、かなり盛大な行事で、
各家々の親族が集まり、
お墓の前で、お線香をたいて、
ピクニックのように敷物をしき、
ご馳走を食べる。
おにぎり、まんじゅう、
お茶にお酒に、
天ぷら、煮物。
みんなでわいわい。
まさに、
「お墓の前で、ピクニック」だ。
でも、この行事。
家族での行事なので、
東京から来たわたしには、
これまであまり関係がなく。
十六日祭の前に、スーパーで、
お菓子やオードブルの安売りをしていたり。
十六日祭が過ぎてから、
近所のおばあが、ご馳走の残りを分けてくれたり。
そういう関わり方しかして来なかった。
けれど、今年は。
働かせてもらってる食堂のお家のお墓に、
一緒について行けた。
そしたら、普段は冗談ばっかりのじいちゃんから、
約50年前、この島に入植した当時の話を聞けた。
ただのジャングルだった西表島。
隣りの島からやってきて、
全てを開拓して、今を作り上げてきた、
じいちゃん達。
20才代で開拓を始め、
今はみんな70才代。
わたしが約5ヶ月、島を離れている間に、
西表島の東部だけで、
7名の人が亡くなっていた。
「この島の歴史そのもの」と呼べる人達と暮らす日常。
そして、その「歴史そのもの」の人達が、
徐々に年をとっていく現実。
残され、受け止め、続いていく日常。
この「十六日祭」で、
亡くなった人達が、幸せなお正月を、
あの世で迎えていますように。
この世で、ご馳走食べて、ピクニック。
あっちもこっちもみんなハッピー。

