
去年の春、いや一昨年の秋だったかな、
「老人の運動会」に行った。
ものすごい光景。
あたり一面、老人、老人、老人。
しかもジャージ姿どころか、
ランニングシャツに短パンとか。
石垣島の中学校グラウンドに、
八重山中の各島々から、老人大集合。
若者は皆無、老人だけで1000人はいたはず。
とにかくすごかった。
運動会が終わっても、力の有り余ってるおじいは、
港でダッシュしてたりして。
70も過ぎて、何だあのパワーは。
で、そのときの昼休みのこと。
昼食時には、全員に仕出し弁当が支給される。
食べ終わって、ゴミを回収しようとしたら、
西表島のおじいおばあは、何と。
「ゴミを持って帰る」と言う。
何でだかわかる?
それは「ゴミの分別が面倒だから」
石垣島では、ゴミの分別が行われていて
(内地では当たり前のことだけど)
各離島では、行われていない。
西表島を始めとする、
小浜島、竹富島、波照間島などの各離島には、
ゴミの焼却施設、処分場がない。
何でもまとめて、ぽいっと投げるだけ。
投げた後は、ときどき火をつけて燃やすだけ。
燃えるゴミも、燃えないゴミも、空き缶もペットボトルも。
それどころか、自転車もドラム缶も電球も、何もかも。
どこの島にもある「ゴミ捨て場」はすごい。
ひどすぎる。
内地から来た人なら、誰でも目を覆うはず。
けど、いつもそうやって捨ててる、西表島のおじいおばあは、
「石垣で捨てると面倒だから、
島に持って帰ってから捨てるさー」って、
食べカスの入ったホカ弁の箱を、大事に抱えて、船で持ち帰った。
せっかく、分別のできる石垣島にいるのに、
わざわざ離島に持ち帰って、
ダイオキシンを発生させるとは。
恐るべし、おじいおばあ。
でも、「面倒だからよー」って笑うおばあ達を見てると、
「ま、いっかー」って気にもなっちゃう。
おばあ達が若い頃は、
「燃やしていいもの」と「土に還るもの」しかなかったんだろうなあ。
でも現在は「燃やしちゃヤバいもの」が多すぎる。
大自然の中、「燃やしちゃヤバいもの」を山にして、
まとめて火をつけ、ダイオキシンを発生させて、
それが空に昇り、雨となり、大地に降り注ぎ、
草木が育ち、その牧草を食べて牛が育ち、
その牛は全国で人々の口に入る。
循環を考えたら、
大事にしなきゃいけないことも、見えてくる。

