近所のスーパーに買い物に行った。
魚売り場に行って、びっくり。
魚に、頭も尻尾もない。
こんなんだっけ?
「今の子供たちは、魚が切り身で海を泳いでると思ってる」
て話を聞いたことがあるけれど。
確かに、あれじゃあ、想像力を働かせるのは難しいでしょう。
だって、切り身しか売ってなかったよ。
頭から尻尾まで「魚の形で売ってる魚」がひとつもなかった。
みんな、頭は食べないの?
わたしは島で、用範さん(三味線の師匠)が釣ってきた魚を、
三味線練習の後に食べるのが、大好きだった。
魚をまるごと「マース煮(塩味の煮付け)」にして、
一番おいしいのは、頭の部分。
食べるのが下手だと、周りの人にすぐ奪われる。
「おいしい部分を残すな」って、
猫もまたいで通る程に、解体しながら食べて、
最後は魚の頭蓋骨を割って、中の脳みそまで食べて、ごちそうさま。
用範さんの弟子は、三味線より先に、
魚を食べるのが上手になる。
頭のない魚を煮たって、
上品なだけで、よだれは出ないのに。
だのにー、なーぜー。
スーパーでやっとみつけた魚の頭は、
鯛のアラだけを集めたパック。
一番おいしいところを集めておいて、
売り場の隅っこで、100円とは、これいかに。
わたしは得した気分で、3パックも買い占めたけれど、
いまどきの子供たちが、魚の形をわからないのは、かなり納得。
かわいそーにねー。
形もだけど、
それよりなにより、
あの「目玉」「唇」「ほっぺた」「軟骨」のおいしさがわからないなんて。

