まみぞう日記 プロローグ編

2000年8月

8月17日 自宅にてさいご(?)の夜。計画としては、今頃出発して電車の中のはずだったんだけど。なぜか、家。
明日の朝、出発します。今度こそ。
今から徹夜で荷づくり&部屋のそうじ。
母親に「そうじ機くらいかけてきなさいよ」って言われちゃったからね。
だけど眠いっす。酔っ払ってるし。
果たして明日、出発できるのか?今からそうじ機、かけられるのか?
8月18日 京都:井ノ口家にて夕べは酔っ払ってて、電気つけたまま寝ちゃった。
5;00に起きて、荷物まとめてそうじ機かけて。
8;00出発。
母親と弟に見送られたはいいけど、
歩いて10秒で忘れ物に気づいちゃった。
即帰宅。
「あら早かったのね」と定番のイヤミ。そんなこんなで、
18キップ各駅停車の旅。
9時間かかって、今、京都。夕飯は、九州らーめん食べました。
8月19日 姫路から岡山に向かう電車の中甲子園、準々決勝、超・観戦。
あついっす、高校球児。試合もあついが、応援席もとってもあつい。
暑くて熱い。
光星学院戦、「八戸漁協」とかの手ぬぐいを巻いたおばちゃんが、
あんまり野球、わかんないのに
「7番だからライトよね」なんて、かなり得意げ。
(ちがうっちゅうねん!)
横浜高校戦、ビール売ってるお兄ちゃんが、
「かっせ、かっせ。かっせ横高!」ていきなり吠えた。
飛び入り・本気応援団長。かっこいい。
いろいろ含めて、やっぱり高校野球だね。
チューリップハット買っちゃった。500円。
8月20日 博多に向かう電車の中九州上陸。
今朝、四国で讃岐うどん食べてたのに。
うどん、旨かったよ。
まだ開店前だったのに
「今、おいしいの打ってるから待ってたらいいよ」
て、ステキなご主人の打つうどんはステキなうどんだった。
ごちそうさま。電車で少しずつ移動してると、
いつのまにか方言が変わってて面白い。
朝は岡山で「(なんとか)したらいいがー」て人がいっぱいいて、
今は九州で」「(なんとか)したらいいとー」て人がいっぱい。
8月21日 鹿児島新港・クイーンコーラル船内グッバイ、本州。(九州だけど)
あと4分で出港、出港。
4日かけて東京から南へ南へ下ってきたけど、
ついに、海へ出る日が来ました。
結構、気持ちが引き締まる。
節目。出発。わたしの前途を祝っているのか、
桜島にきれいに虹がかかってる。わたしに未来に暗雲がたちこめんとばかりに、
大型台風10号が迫ってる。何でも来い。
それがわたしの最善なのだ。
グッバイ本州。またねー。(九州だけど)
8月22日 ヨロン島酔っ払ってます。
この島には「与論献奉」という慣習があって、
客や仲間が集まると、地酒焼酎「有泉」を一升空けるまで飲み続けるのです。
酒、飲めないのに大変さー。
(既にちょっと沖縄方言混じり)
今日は、船から偶然イルカが見えて感動。
興奮したことを書こうと思ってたのにな。
もう寝るさ。おやすみー。
8月23日 ヨロンのバンガロー(1泊¥610)にてヨロンバンザイ。
今日はほんっっとーにいい日だったよ。
楽しいできごと、ステキな出会いがいっぱい。
今回の旅の楽しみのひとつ「グスク(城)めぐり」第1弾→ヨロン城跡。
青い空と青い海の向こうに、沖縄本島が見えたよ。
明日行くから、待ってろよ、沖縄!
そして初・ダイビング。高い金を出したかいがあったよ。
たくさんの魚と、かわいいさわちゃんとやさしい森くん。
楽しかったー。
その後、島のおじさん達に誘われ、浜辺でバーベキュー。
旨いやら踊るやらでもう大変。
シーマンズクラブ、バンザイ。
そして今いるバンガロー、「きのこハウス」て感じなの。
傘の部分に部屋があるのよ。
もう、この形だけで全てを許そう。ヨロンバンザイ。
8月24日 沖縄・北谷(ちゃたん)島の、のんびりした空気が好きだ。
いよいよ沖縄上陸。
「来たーーー!」て感じだけど、
この街は落ち着かない。
そわそわする。
明日はテビチ汁を食べよう。
8月25日 那覇の友だちの彼氏の家。今日は、こっちの友だちにいろいろ案内してもらうはずだった。
むちゃむちゃはりきってたんだけど、
その友達が、何とわたしを迎えに来る途中で交通事故。
連絡をとることすらできなかったので、
わたしの方も、そうとは知らず、結局1日待ちぼうけ。
きっと神様が「2人共、今日はやめとけ」て言ってたんだな。
彼女にケガがなかったのが不幸中の幸いです。
8月26日 那覇のユースホステル今年のはじめ、西表島(由布島)でバイトしてたとき、
団体で来るお客さんのツアー名が、
「のんびり沖縄9島めぐり、2泊3日」とかだと、
「どこがのんびりじゃー!」なんて、突っ込んだもんです。
ところがところが、今日のわたしにツアー名をつけるとしたら、
何と何と、「のんびり沖縄5島めぐり、日帰りの旅」。
すごいでしょ。
しかもホントにのんびりしてるのよ。
案内してくれたやよいちゃんに感謝!マングースによる、8月28日補足。
「5島」とは、
沖縄本島、宮城島、平安座島、伊計島、浜比嘉島。
8月27日 那覇ふるさとエイサーまつり「ちょっと失敗したかな?」て思ったことが、
ぜーんぶいい方に流れてく。
小さいコトから大きいコトまで、みんなそう。今日は、「泳ぐぞ!!」て、

はりきって水着を服の下に着てでかけたのに、 曇って寒かった。
がっかりしてたら、台風前の大スコール。
全身びしょぬれ。
水着大成功!
どんなにぬれても楽しいし、
雨がやんだら着替えて、ひとりさわやかだし。
いい旅じゃのう。
全てが全て、うまくいく。
8月28日 西表島より台風直撃!ついに、この旅の目的地「西表島」に上陸。
来ちゃった。
ホントはもう2、3日遊んでから来るつもりだったのに、
このあたりはそれどころじゃない騒ぎ。
船も欠航するし、あちこち防風ネットが張られてるしで、
台風12号、恐るべし。
これから住みこみで働く予定の「由布島」へTELしたら、
「台風が去るまで来るな」て受け入れ拒否されるし。
…せっかくここまで来たのに足止め。
執行猶予だね。
8月29日 西表西表は台風12号暴風域。
家も揺れる強風。
3分に1度停電。未だ由布行けず。難しいことは考えず、
流れのままに歩いていくと、
何だかとってもうまくいきます。
だけど、物理的な事情で、
流れに逆らわざるを得ないときには
いったいどうしたものでしょう。
それもそういう流れなのかな。
8月30日 西表・寺村家居候3日目台風一過。
暇だった。
いっぱい寝た。
幸せ。今日したこと。
1、昼めしつくった。食べた。
2、寝た。
3、晩めし、つくった。食べた。以上。
おやすみ。
8月31日 由布島帰ってきてしまったよ。
大好きな由布に。
そう。
大好きなんだよ。
認めてしまおう。
イヤなところもいっぱいあるけど、
こんなに嬉しい自分がいるよ。
がんばるぞ、力抜いて。

2000年9月

9月1日 由布・新居ヤモリは家を守ってくれますか?
ヤモリがすごくいっぱいいます。
今ふと見ただけで、
窓に3匹貼りついてます。
部屋にはフンがたくさんあります。ホントにヤモリは
家を守ってくれますか?
9月2日 由布早くも流されそうなわたし。
何しにきたか思い出せ。
9月3日 由布全てがうまくいく。
幸せすぎ。わたしの住み、働いている「由布島」は、
水牛車で渡る小っちゃい島。
そこの売店(みやげもの屋)で働き始めたんだけどさ。
ふと顔を上げると外を水牛が歩いていたり。
マンゴやらグアバやら、
ドラゴンフルーツやらシャカトウやらが食べられたり。
(シャカトウって、お釈迦さまの頭みたいな果物。釈迦頭。甘いよ)
釣れたてのサヨリをつまんだり。
しかも塩焼・刺身・フライのフルコース。
あー幸せ。あーおいしい。
9月4日 由布朝、元気でも、夜、疲れてる。
働いて、寝て、食って。
それから夜ふかし。
この日記を書くのはいつも寝る前。
だから眠くてまともに書けない。
ああ何て言い訳がましいわたしだろう。
でも自分大好き。
9月5日 西表島・星砂の浜海で昼寝。
浅瀬に体を沈めて仰向けに転がる。
ちょっとウトウトしてきたところで、
「チクッ」と左足に痛みが走った。
ハブクラゲだとやばいと思いつつ、
左足に目をやると、黒縞模様の小魚。
昨晩かきつぶしてしまったケガのかさぶたに、
2匹、3匹群がってる。
追い払えども、かさぶたを突く魚達。
体のあちこちに付いた砂の粒は、
全て星の砂。これまたちくちくする。
魚と星砂にイライラさせられる、
ぜいたくな休日の午後。
9月6日 由布・自分のへや毎朝、NHK朝の連ドラ、
「わたしの青空」を見る。
8:15~8:30放送。
だけどわたしの仕事は8:30から。
8:20に家を出る。
毎朝5分。
はじめだけ。
毎日見てるのに、毎日びっくり。
展開早くて。
だけど楽しみ。
マングースのつぶやき
(9月7日以降の、日記に代えて)このころからすでに、
文面にも少しずつ表れているように、
まみぞうは自分が何をしたいのか、
迷ってきているようだ。
めっきり葉書が届く回数も減ってきた。
迷いや、焦燥。
常に僕らの胸の内に現れる葛藤。
それらを彼女は、日記という形で、
リアルに僕らに伝えてくれる。
そこから僕らは、何を感じているのだろう。
9月20日 由布・自分のへや先週、地元の小学校の運動会に参加した。
リレーの総合優勝商品は何とヤギ1頭。
最近の日課は毎夕ヤギの散歩。
すてきでしょ。
それにしてもこっちの人は、
ヤギと見たら、食べることしか浮かばないらしい。
会う人会う人「いつつぶすの?」て聞いてくる。
実際、運動会の前日には、
わたしもヤギ汁食べてるけどね。
9月21日 晴れ、午後にスコール。ヤギのメエが、
初めてわたしのことをペロペロなめてくれた。うれしい。草ばっか食べてて、
なついたりなんてせんと思ってたのに。