花咲け。  2003年3月14日(金)

「やすみ屋食堂」に、珍しいお客が来た。

中学生がぞろぞろぞろ。
セーラー服に学ラン総勢18名。
先生入れて19名。
大原中学3年生の全員だ。
(西表島の東部に中学校はただひとつ。つまり東部の中3全員)
(ちなみに。この学年は18名もいるけど今の1年生は4人しかいない)

今日は中学校の卒業式だった。
先生のおごりで、みんなで食べる最後の昼メシ。
全員、そば。

見てるだけで泣きそうになっちゃった。

て言っても、泣きそうなのはわたしだけで。
みんな楽しそうに美味しそうに食べてるんだけどね。

だって、この島には高校がない。

中学を卒業したら、全員がこの島を出て行ってしまう。
戻ってくるとも限らない。
本当の巣立ちだ。

卒業しても近所で遊べたわたし達の卒業とは訳が違う。
全員、この島を、出て行くのだ。

送りだす大人の方も胸いっぱいだ。

わたしはちょうど中間で、
子供たちとも遊んだし、この親たちにもお世話になってる。
どっちを思っても胸が痛い。
めでたい晴れやかなお祝いなのにな。

この子たちを見ていると。
そして自分を見てみると。
人はホントに「植物」みたいだ。

中学まではまだまだ「種」で。
周りの人に、育ててもらって、貯えて。
そこからちゃんと芽が出て、伸びて。
ぐいぐい育って。
今のわたしに至るよな。

今でもまわりに水かけてもらわないと、すぐ枯れちゃう。

咲くのは自分。
だけどみんなに、ありがとう。

いってらっしゃい。
みんな、でっかい花咲かせろよー。