内地では「イラク」とか「北朝鮮」のコト、
どれだけ緊迫しているのだろう。
ローカルニュースばかりが身近で
世界のニュースが聞こえてこない。
八重山毎日新聞の一面トップはいつでもローカル。
テロが起きても地震があっても。
それが内地のことならば、それが遠くのことならば。
「サトウキビは1トンいくら」
「町議会の昨日の発言」
これがこっちのビッグニュース。
それだけ平和な土地なのだなあと、
最初の頃は驚いたけど。
そうじゃなくって、それだけ社会が孤立している。
最近それに気が付いた。
同じ沖縄県にありながら、
「沖縄本島」のことを「オキナワ」と呼ぶこの島々は。
情報、物資、全てが遠く離れた島だ。
離れて「仲間はずれ」になるのではなく。
離れて「ひとり歩き」をしている。
離れて卑屈になるのではなく、
離れて立派に笑っているのだ。
「竹富町議会議員」の選挙では、島を挙げての大騒ぎ。
おじいもおばあも、選挙の始まる半年前から騒ぎ出す。
なのに「沖縄県知事」選挙は
「誰でもいいさー」と腰が重い。
政治に関心がないのではなく、
それだけ「オキナワ」ですら遠いのだ。
インターネットで世界が近くなったのは、
パソコンの買える都会だけ。
ここから世界はあまりに遠い。
みんな、世界が遠いことすら知らない。
わたしが「世界が遠い」と言えるのは、
都会から来て、海外にも行って、
少しは世界を見たことあるから。
だけど昨日、近所のにーにー(兄さん)とユンタク(おしゃべり)していたら、
「ぼくたちは昔、アメリカ人だったんだよ」
いつも冗談ばかりのにーにー。
「はいはい」と軽く流してから気が付いた。
「うわっ。ホントだ!」
意外に身近な世界にびっくり。
小さい頃は「5セント握りしめてパンを買いに行った」という。
30年前まで、この島はアメリカだった。

