
♪月ぬ美しゃ十日三日、美童美しゃ十七つ。
(つくぬかいしゃ、とぅーかみっか、みやらびかいしゃ、とぅーななつ)
八重山の民謡に「月ぬ美しゃ」(つくぬかいしゃ)という、美しい唄がある。
「月の美しいのは十三夜ですよー、女の人の美しいのは十七才ですよー」
という意味の、とっくに十七才を過ぎた身としては、
一瞬「なにをー!」と眉の端をぴくぴくさせちゃうような唄だ。
まあ、でも心を大きく持って、眉をぴくぴくさせずに解釈すれば、
「何事も、完全に熟すより、直前が良いものですよー」
ということだ。
わたしはまだまだ熟してないので、
年令に関係なく、美しくなるのもこれからだ。
目指せ、熟す直前。
と、いうことにしよう。
してください。
満月(十五夜)よりも十三夜が美しいっていうのは、そういうことに違いない。
確かに昨日の月は美しかった。
昨日は、夕焼けが紫色であまりにもきれいで、
同居人リエと「うおーっ」て興奮して外に走り出た。
だけど。
少しでもきれいに見えるところへ行こうと走ってるうちに、
夕焼け空は消えてしまった。
「ホタルと一緒だね。ステキなものは、一瞬だね」
て話しながら空を見上げたときの月の美しゃよ。
やっぱり月は十三夜じゃのう。
やっぱり女も十七才かのう…。

