
まだ終わらない、サトウキビ。
サトウキビのシーズンは、例年1月から4月。
だいたい1月7日頃に、製糖工場のえんとつがもくもく言い出して、
工場の前の坂道にぷーん、と甘い匂いが広がる。
そうすると「ああ、今年もキビの季節だなあ」と、しみじみ。
で、だいたい4月15日頃に、全てのキビが刈り終わって、
工場の辺りが静かになる。
そうすると「ああ、いよいよ夏がやってくるなあ」と、これまたしみじみ。
なのに今年は。
史上最大の大豊作。
刈っても刈ってもキビが終わらん。
もう4月も20日を過ぎたというのに、
終わる気配どころか、先が見えない農家続出。
このままだと、5月下旬までかかるらしい。
ところがところが。
「大豊作だー、バンザーイ!」
と、なかなか言えないのが、まさに当事者、キビ刈り農家とキビ刈り青年。
なぜかというと。
暑いんだなあ、西表。
昨日も今日も、太陽ギラギラ、30℃。
太陽パワーは、内地のそれとは比べ物にならん、洒落にもならん。
立ってるだけで、日射病で倒れそう。
なのにキビ刈り。
日陰もなく、風通しも悪い畑で、ひたすら肉体重労働。
(キビはとっても背が高いので、横からの爽やかーな風をぜーんぶ防ぐ。なのに、上からのきつーい日射しは全く防がん。困ったもんです)
キビ刈りは「冬だからできる」仕事です。
4月の下旬でこんなに暑い。
5月に入って、どうなるだろう。
普通の人なら、これは倒れて当たり前。
史上最大の大豊作は、
史上初の「夏のキビ刈り」という地獄を生み出した。
どうなる、キビ刈り人夫たち!?
がんばれ、キビ刈り人夫たち!

