
走ってきたよ、運動会。
昨日の運動会は「竹富島出身者の運動会」
わたしは東京出身だけど、縁あって飛び入り参加。
これがね、内地の運動会とは全然違う。
最近ようやく慣れてきた西表島の運動会ともまた違う。
いろいろ驚きの連続。
心も体も、激しい動きをした一日でした。
まず走る前から「心の疲労」
それはわたしの「飛び入り参加」
これが実は、あってはならないことらしい。
ホントは「竹富島出身者」と「その家族」しか出ちゃいけない。
(わたしはただの「出身者経営の食堂の従業員」)
だからまず言われたこと。
「今日一日は、結婚やっとけよ」
どういう意味かと言うと。
「あそこの家の嫁です」
と言えば、知らない顔でもオッケーだから、
運動会の間だけは、竹富出身者の嫁になりすませよ、ということ。
それを知らずに走って、下手に一着なんてとって目立ったりすると、
「お前、どこからか?戸籍持ってこい!」
て怒られるって脅された。
助っ人を頼まれて走るのに、嘘をつかねばならんとは。
内心どきどきしてました。
まあ、でも実際はそこまで怖い人もなく、
それどころか、出番がぞくぞく。
「100メートル走」に「なわとび競争」、
「綱引き」に「リレー」
全員参加の「シーザ踊り」「巻き踊り」
で、驚くのが、ひとつひとつに賭ける気合いの入れっぷり。
各種目に出るって決まると、
まあ普通の運動会なら「本部席の前に集合」といったところ。
だけど、この運動会の場合。
まず、「自分のチーム(部落)のテント前に集合」となる。
何が始まるかというと。
テント内に座ったおじいが声を合わせて唄をうたう。
それに合わせて、扇子を持ったおばあが、選手の周りを踊りながら、くるくる回る。
そして全員で「えいえいおう!」
最後に、おばあが、選手のひとりひとりに「塩」をかけて、終わり。
ようやく「本部前に集合」だ。
うっかり塩をかけるのを忘れようものなら。
グランドのまん中まで、塩を持ったおばあが追いかけてくる。
「まーしゅ!まーしゅ!」て叫びながら。
(「マース」とは沖縄の方言で「塩」のこと。おばあはさらに「まーしゅ」と言う)
で、種目が終わる。
そうすると今度は「賞品」がすごい。
まず、本部席にて「トイレットペーパー」と「箱ティッシュ」
そしてテントに帰ると、
「トイレットペーパー」と「箱ティッシュ」と「ゴミ袋」の3点セットがもらえてしまう。
だから1種目に出る度、「トイレットペーパー2個」「ティッシュ2箱」「ゴミ袋」が貯まっていくのだ。
全員参加の種目でももらえるし、
1着になるとさらに「キッチンペーパー」がもらえたり、
「箱ティッシュ」が何と5箱だったりする。
6種目に出て、うち2種目が1着だったわたしの賞品の量は想像していただけるだろうか。
もらったばかりのゴミ袋を開封し、
賞品をそのままぶちこんで2袋ぶん。
(しかも「ペーパー類」ばかり)
運動会の会場は石垣島。
わたしの住んでいる島は西表島。
賞品の入ったごみ袋を抱え、タクシーに乗って港まで10分。
さらに船で35分。
今、我が家の玄関には、1年分はあるだろうと思われるペーパー達が転がっている。
ありがとう運動会。
我が家の家計は、運動会の賞品で支えられています。
(何を隠そう、今使ってる箱ティッシュも去年の秋の運動会の賞品)

