
生まれて初めて「点滴」なるものを打ってしまった。
まさかこんな大事になるとは…。
あれは金曜の夕方。
(とは言っても夜7時。こっちはまだまだ明るい)
原付バイクで転んでしまったんだなあ。
肘、ひざ、足の甲。
3ケ所を擦りむき、血がたらたらっと。
まあ、でも軽傷。
消毒しとけば治るでしょ、って感じのケガ。
だけどね。
この消毒がくせ者で。
わたくしは、オキシドールとマキロンにアレルギーがあるのでございます。
だから、ヨードチンキとかで消毒しなくちゃいけないんだけど。
めったに転んでケガなんてする訳じゃないし、
いちいち常備してる訳もなく。
ついそのまんま。
(あ、水洗いはしたよ。除菌もできるハンドソープで洗った)
で、この、転んだ時間が悪かった。
診療所の診察時間はとっくに終わり、さらに土日は休診。
急患で開けてもらう程のケガでなし。
痛いなあ、と思いながら、金曜の夜を過ごし。
土曜はあまりの痛みに、アレルギーの危険を承知で、
マキロンをしゅっとスプレー。
(さらに痛みが増したので即座に洗い流した)
日曜は「痛いよう、絶対明日は医者に行くよう」と半泣き。
そして迎えた、本日、月曜。
痛いながらも、
「まあ、消毒くらいしといてもらお」
と、軽い気持ちで診療所へ。
そしたら先生。
わたしが事情を説明するより前に。
「あらあらあら、化膿してるね。抗生物質うちましょ」て。
「う、打つー?」と、意味がわからないまま、ベッドに寝かされ。
「ちゅ、注射っすか?」て聞いたら、
「点滴うちましょうねー」て。
気が付いたら、検査のためって、左腕に2ケ所ちくちくっ。
まみぞう動揺。
「こんなに大袈裟にしなくてもいいんじゃないっすか?」
て聞いたら、
やっぱりこっちは内地に比べて、細菌がものすごーく繁殖しやすいらしくって。
甘く見てると、ぐわっと菌が広がっちまうそうです。
で、点滴。
自慢だけど、体は丈夫で。
アレルギー体質以外は、まともにケガも病気も入院もしたことない。
風邪だって引かない。
なのに、点滴。
で、この「点滴」がさ、困ったもんで、その名の通り「天敵」だった。
何と。
点滴を始めて、ものの1分もしないうちに、くしゃみ鼻水とまらない。
鼻の奥が、きーーーんと痛くなって、鼻水じゅるじゅる。
目もかゆいし。
つらかったー。
途中で先生を呼んで、
「点滴アレルギーみたいですー」
て、訴えたんだけど。
「あら。じゃあ、超特急で終わらせて、とっとと帰りましょう」
と来たもんだ。
点滴スピード最速。
鼻水もじゅるじゅるするのを通り過ぎて、しっかり詰まった。
もう口でしか息ができない。
で。
これが見事に、点滴が終わった途端にくしゃみ鼻水ぴたっと止まった。
恐るべし、点滴。
うー。
つらかったな。
もうやりたくないな、点滴。
だけど、腫れが引かなかったら、明日も点滴って。
どうか腫れが引きますように。
それにしても、島の診療所ってプライバシーないよな。
自分が健康だったら、待合室のおしゃべりも楽しいけど。
病気やケガって、どうしても全部をみんなに知られることに抵抗がある。
こういうところが、わたしはまだまだ都会人なんだな。
あいさつがわりに
「どうした?」て全部説明。
すごく仲がいい人とか、めったに会わない人ならいいけど。
島の人ってのは、たいていそのどちらでもなくて。
特に付き合いはなくても、みんなしょっちゅう会う人。
そういう人たちに、自分の症状を全て知られちゃう。
このくらいのケガならいいけどな。
知られたくないときも、きっとあるよな。
ま、仕方ないかー。
(って、仕方ないのかなあ?)

