
ぞくぞくする。
心の声に耳をすませて。
今までの平穏を投げることを恐れずに動いたなら。
全身のアンテナに、あらゆるものが掛かる。
西表の山の中、
西表の水を飲み、
西表の土を踏み、
西表の森に抱かれて眠った。
歩くときには、手を触れた全ての木々に
「ありがとう」と、つぶやきながら。
大きな大きなこの島に、
背中を守られ歩き通した。
人との出会い。
「恋と旅だけして生きてる」と言い放っていたわたしが、
この1年、恋も旅もしていなかった。
この西表に根を生やし、
ただただ足元だけを見て、
強く強くあったかく。
そうして生きていこうと思ってた。
動くとき。
時がゆっくり満ちている。
前へ歩こう。
心の声が聞こえる限り、
わたしは何も怖くない。

