命の誕生。  2004年3月5日(金)

約4ヶ月、島を離れた間に。

大好きだったおじいやおばあ、
まだ働き盛りだったにーにーまで合わせて、
この島の東部だけで、
7名の人が亡くなってた。

あまりにも元気で、
あまりにも存在感の大きかった人たちの死は、
未だ現実味が薄く、実感が乏しい。

まだ、そこらへんを歩いてる気がする、
だけでなく、
実際に姿が見えてしまう程までに、
その影は濃い。

これだけ続けざまに人が亡くなると、
この島の歴史、
ひとつの時代が終わって行く、
流れ去っていくようで、

何とも言えず、ぽっかり穴があくような、
何かに追われて、頭を抱えて叫びたいような、
漠然とした動揺にかられていたけれど。

目を開けたら、
新しい命が芽吹いていた。

この島に来て4年。

わたしが来た頃には、
まだ出会ってもいなかった二人が、
共に歩み、
新たな時代を築き始めている。

それも、
ひと組やふた組じゃない。

いくつもの家族の誕生。

ひとりで島に来た若者が、
誰かと出会い、ふたりになって、
愛を重ねて、3人になり、家族になる。

歴史は終わるばかりじゃない。

こうして全ては続いていくんだ。
ぐるぐるまわって、巡っていくんだ。