自分にできることをしよう。  2004年3月28日(日)

かっこいい子に会った。

この島に住んで4、5年経つという、内地出身の女の子。
島に馴染んで、子供達にものすごく愛されてる。

出会った日、彼女は言った。
「明日、みんなでDVDを観るから、おいでねー」

そのときは軽く流して聞いていたけれど、
よく聞いてみたら、それはそれは素晴らしい試み(DVD上映会)だった。

「自分の買ったDVDが、あまりにも良かったから、
ひとりで観るんじゃもったいない」
と、子供たちを集めて、
小中学校の理科室で上映会。

ゴミ問題を扱ったDVDなので、
観終わった後でゴミを拾いたくなった人は、
近所の浜でゴミを拾おう!
というもの。

素晴らしかった。
感動した。
上映中ずっと
「この子はこんなことを頑張ってる。
わたしには何ができるだろう」
って考えてた。
ものすごく刺激を受けた。
こんなにかっこいい子に、久しぶりに会った。

上映したDVDは、
cocco (コッコ、沖縄出身の歌手、何年か前から活動休止中)の
「Heaven’s hell」(ヘブンズ ヘル)。

芸能界から離れたcoccoが、
ずっと故郷の沖縄でゴミを拾い続け、
ひとり無力を感じる中、
もっとできることがあるんじゃないか、と
1日だけ、1曲だけの復活コンサートを開く。
吹奏楽部、合唱隊、ボランティアスタッフ。
cocco本人が、沖縄中の80校以上ある学校をまわり、
人を集め、生徒たちと毎日練習に励み、
たった1曲「Heaven’s hell」を作り上げていく。
本番の日までを追ったドキュメンタリー。

そんな内容。

coccoは「coccoにできること」をした。
「唄をうたうこと」で、そのハートがたくさんの人に伝わった。

coccoが唄ったことで、こんな西表に住んでるわたしにまで、
「自分に何ができるかな」って思いが届いた。

わたしの出会った彼女も「彼女にできること」をした。
大きな上映会を開くんじゃなくて、
学校の理科室を借りて、
自分の住んでる地域の子供達に声をかけた。

「自分にできる範囲のこと」を、
無理なく、でも一生懸命にやることで、
1番伝えたい人たちに、まっすぐ伝わっていく。

coccoも彼女も同じ。

わたしには何ができるかな。

日々の暮らしの中、ゴミを「分ける」前に、
まずゴミを「出さない」こと。

物や命を大切にする、地球を愛する気持ちを、
人と話して、考えること。

知らないことを減らしていくこと。

わたしにはわたしのできること。